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―5―


「祥太が"カゲ"の工場に行ったって聞いたときは驚いたよ。いつも『成績優秀』、『仏頂面でクール』『いつも本ばっか読む』『話し掛けてもぶっきらぼうな返事だけ』な祥太が自分から行くなんてな…」
「まぁな…」

 ショウタ大丈夫?
 小さくユタがそう言ったのが聞こえた。

「お前結構やばいんじゃないのか?」
「…どういう意味だよ」

 拓也は何が言いたいんだ…?

 拓也のいつもの笑顔がだんだん上辺だけのものにみえてくる。

「第一何考えてるか分かんないし…"カゲツキ"だし…」
「"カゲ"は関係ないだろ」

「関係あるだろ」拓也は吐き捨てるように言った。

「"カゲ"を手に入れてもう怖いものはないってか?」
「は…何言ってんだよ…」
「…もういい」

 一方的に拓也は会話を切り、僕の横を通り過ぎる。

 あれ…?
 拓也ってこんなヤツだったっけ…?

 僕はじっと前を見たまま、動けなかった。
 無機質な足音だけが耳に入ってきた。

 "カゲツキ"なだけで、こんな扱いをされるのか…?
 …意味分かんねぇ。

 僕は振り返り、走り出した。
 歩いていた拓也の肩に手を置く。

「えーい」
「何だよ…痛っ」

 人差し指でぷすりと拓也の焼けた肌に入る。
 一瞬見えた拓也のマヌケ面に笑いそうになった。

「"カゲ"がついてたってなんだって関係ねぇだろ」
「…は?」

 仁王立ちくらいの勢いで立つ僕に、拓也は悔しそうな顔を上げる。

「"カゲ"がついてたって、何がついてたって俺は"俺"だ」

 ユタと僕は別人なんだ。

 真剣に拓也に言い放つ。

「っは…あははははは…!」

 だが、それを聞いて拓也は吹き出した。

 今の話のどこがおかしいんだ…。
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